Y-HeaTについて
ウエルドレス成形技術
細管ヒータ式HeaT&CooLシステム
Y-HeaTについて
Presented by 山下電気
Y-HeaTとは
Y-HeaTとは、独自開発した金型の温度コントロールシステムです。
金型の温度を緻密にコントロールすることで、ウエルドラインを消すことが出来るウエルドレス技術の一つです。従来の技術では、温度が上がらない、サイクルが長い、温度ムラが大きい、複雑な形状が出来ないなど実用化に向け課題を抱えていました。その課題を解決したのが、細管ヒータ式HeaT&CooLシステム”Y-HeaT”です。山下電気が開発したY-HeaTは、2011年から特許ライセンスとヒータ温度コントローラの販売を開始しました。
Y-HeaTの可能性
成形サイクルの全域において、金型温度を1℃単位で制御できる特徴を生かせば、様々な技術応用の可能性が見えてきます。更に、当社の基幹技術である各種CAE解析とのコラボにより実現可能の領域がぐっと広がります。
山下電気では、課題実現のお手伝いとしていくつかの試作用金型を準備しております。材料実験や外観確認など、量産設計の前段階としてご利用いただくことも可能です。皆様の課題の具現化に少しでもお役に立てればと、当社技術部はいつも考えております。

キャビ・コア全面ヒーター設置 表面高光沢磨き2

キャビ・コア全面ヒーター設置

シボ・プレート金型 キャビ・コア全面ヒーター設置
Y-HeaTのメリットは?
- ・キャビティ表面の高温化
金型温度250℃以上の上昇が可能。
※金型を鏡面磨きして高光沢材料を使用すれば、ピアノブラック調塗装レスが可能。 転写性・表面の平滑性向上が可能。 - ・コントローラーのチャンネル数に応じて、独立した温度コントロールが可能。
- ・安価な設備投資
設備は、既存の温調設備にヒータコントローラーを追加するだけでOK。 - ・3次元形状対応
フレキシブルなヒータを成形品形状に沿わせて設置
深さ方向へはヒータを差し込むことで対応。

ピアノブラック塗装レス成形
※Y-HeaTによる成形加工例

それぞれのヒーターが独立して温度コントロール可能
Y-HeaTの仕組みについて (型構造)
ヒート&クール成形は、成形サイクルを延ばさないようにするため、金型表面と熱源との距離をできるだけ短くして熱を早く伝える必要があります。しかし、これを通常のカートリッジヒータで行うと樹脂圧により金型表面がたわむため、成形品の外観不良と金型寿命の問題を引き起こします。
そこで弊社が考案したシステムが下記になります。
①樹脂圧の影響を受けにくくするために小径のシースヒータにする。
②ヒータは、溝を設ける事により入れ子全体の強度を維持する。
③ヒータの固定はリブ付きの蓋を作り、篏合させ隙間を無くす。
④冷却は、リブ付きの蓋に専用冷却水管を設ける仕組みを考案。
小径のシースヒータは、手で曲げられるため入れ子内で横方向や深さ方向にもヒータを曲げながら配置出来、立体的な成形品形状でも自由度の高い設計が可能になります。


Y-HeaTの仕組みについて(成形サイクル)
- ①型開きと同時にヒータに通電させ温度制御を開始する。
- ②前ショットの成形品取り出し中も同時並行して加熱を行う。
- ③型締時にウエルドラインが消滅できる温度まで昇温させて樹脂を射出する。
- ④保圧に入りウエルドラインが消滅した後、専用冷却回路で冷却する。
- ⑤離型可能な温度まで降温させる。
- ⑥昇温速度は毎秒4~6度程度で昇温します。
キャビティ表面温度変化(PC樹脂使用の代表例)

Y-HeaTの仕組みについて(ヒータコントローラー)
Y-HeaTのヒータコントローラは、お客様からの意見や要望に応じて、ハード、ソフト共に改善を行っています。
特徴としては
①金型温度は、熱電対センサーを設定し温度制御プログラムを使用。
②PID制御とサイリスタによる電圧電流制御により高い再現性が実現。
③電流はヒータの断線と寿命向上を考慮し、実験結果に基づいて制御。
④操作画面にタッチパネルを採用。
⑤成形中の金型表面温度を常にモニターできる監視画面、各種警報機能の搭載や感電、漏電防止対策仕様。
⑥本体底部に付けたキャスターで、他の成形機に移動可能。

Y-HeaTのシステム構成
Y-HeaTのシステムは、既存の成形工場にY-HeaTヒータコントローラを増設するシンプルな構成となっています。
ヒータコントローラ以外に大がかりな設備は必要としません。
ヒータコントローラーは稼働式で、工場内すべての成形機で使用することが出来ます。
これにより生産設備を効率よく運営することができます。
