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2色金型でよく使う鋼材について

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2色金型でよく使う鋼材について
今回は弊社2色金型でよく使う鋼材について説明します。

金型の部品としては主にCAV(1次、2次)とCORE,その他としてスライドピン、コアピンなどがあります。
2色金型と射出金型での鋼材選定の大きな違いは、射出成形は1回の成形で製品完成に対し、2色成形では1次で成形後に2次で2回目の成形をして製品を完成させる事にあります。
これは2色成形の場合では多くの場合、1次製品が2次キャビに飛び込んだ際に”押切”といって、精度よく2次キャビに当て付けられなければならない事にあります。言い換えれば2色成形は射出成形で言う”2度押し(製品を離型させずに再度金型を閉めてしまう成形ミス)”を意図的に行っているような成形法なので金型の精度及び強度がより重要になります。
よって、金型鋼材の選定には強度や加工性(精度)を求められます。

HPM38 プリハードン鋼(事前にある程度焼き入れを施し硬度を上げた鋼材)で、切削性、耐腐食性、鏡面加工性、そして耐錆性にも優れています。
2色では精度を要求される製品や外観で押切が必要な製品を中心に主にキャビで一般的に使用しています。更に焼き入れ焼きなましを行う事により、より硬度を上げる事も可能です。価格は高めとなります。
STAVAX プリハードン鋼で、特に難燃性樹脂から発生するガスに対して耐腐食性が良好な鋼材です。
また焼き入れ後にも再加工が容易に可能で主にキャビで使われます。
NAK80 放電加工性、鏡面磨性に優れたプリハードン鋼で焼き入れは不要な鋼材となります。
NAK材は通常のプリハードン鋼のような熱処理とは異なった方法で硬度を出しているので焼き入れ焼きなましによる更なる硬度UPは出来ませんが、窒化処理による表面の硬度UPは可能です。
主に2次成形時に1次製品部で精度を必要とする押切がない場合や強度を必要としない場合のキャビティやコアに使われます。価格は比較的や安価となります。
NAK55 プリハードン鋼で被削性に優れ磨き性にも優れておりますが放電加工性は並となります。よって、放電加工の無いキャビや主にコアに対して使用致します。価格も比較的安価となります。
以上が弊社2色金型で良く使う鋼材となります。
プリハードン鋼を使う理由として、硬度が高く基本的には焼き入れ等の後加工が不要な為、納期の短縮にもつながり加工性にも優れ入手性も比較定良好な事より使用しております。

不良でお困りの方、もっと詳しく知りたい方はお問合せフォームよりお気軽にご質問ください。

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