きれつ及び、ひび 成形不良用語集(12)
きれつ(クラッキング/Cracking)及び、ひび(クレージング/crazing)
きれつとは成形品がその内部応力や外部からの衝撃、もしくは環境などの影響を受けて生じる割れをいう。このうち、環境変化により生じた割れを「ストレスクラッキング(stress crackng)」という。また、成形品の表面または内部に生じたごく細かいきれつを”ひび”という。これらは、外観的にも不良であるが、成形品の物性にも大きな影響を及ぼす。
原因1 過充填の場合
- 射出圧力が高く、キャビティに成形材料が過充填になると残留応力が発生し、亀裂やひびが発生する。対策としては、充填圧と保圧の切替を調節することが必要となる。
原因2 金型温度が低い場合
- 金型温度が低く、射出圧力を上げて無理に成形すると残留応力が発生する。従って対策としては、金型温度を上げ、充填圧と保圧の切替を調整することが有効である。
原因3 成形品の構造上の欠陥による場合
- 成形品の設計時、鋭い角や隅を避け、急激な肉厚変化をしないよう配慮する。インサート周辺の肉厚は、インサートと成形材料の熱膨張係数の差を考慮に入れて製品設計をするとともに、インサートのシャープエッジを避けるようにする。
原因4 離型不良の場合
- この原因によるものが比較的多く見受けられる。抜き勾配を十分に取り、型磨きを完全にし、エジェクタピンのバランスを考えてその位置を決めるようにする。
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